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ハイテクシューズ 身体の使い方について考えてみる

今回は、ハイテクシューズと身体の使い方について、考えてみたいと思います。

マラソン界は以前まで、国内では薄底シューズが主流でしたが、キプチョゲ選手(ケニア)のマラソン世界新記録・大迫傑選手や設楽悠太選手のマラソン日本記録など、ナイキさんの厚底シューズでどんどん記録ラッシュが続き、マラソン界は今、”空前の厚底ブーム”です。

その流れは、トップランナーだけにとどまらず、學生ランナーや市民ランナーにも浸透して來ております。

以前、外部チームの練習会に参加させて頂いた際、フルマラソン2時間40分くらいの実力あるランナーさんから、こんな質問を受けました。

「マラソンを走る時、ヴェイパーフライを履いています。シューズに合わせた走りをしているので特にケガなどはありませんが、それについてどう思いますか?」

 

【佐藤心雄(さとうしんゆう)の回答】

「靴に合わせた走りをしていると言うことは、自分の動きを把握する機会が少ないと思います。今は、現状維持でも問題ないと思いますが、例えば今後、ヴェイパーフライが使用出來ないという日が突然訪れる可能性があるかも知れないので(最近、世界陸連でカーボンプレートが入ったシューズに対する規制が始まったので、可能性は0ではないと思います)、長い目で見ると、自分の身体の動きに注目することが大切だと思いますよ。」と、回答させて頂きました。

ヴェイパーフライとは、カーボンプレートが入ったナイキさんのマラソンシューズで、人間の足を4%速くすると言う効果が望めるらしいです。

タイトルの画像は、アルファフライというナイキさんのマラソンシューズです。※ インターネットの画像お借りします。

こちらのシューズは、人間の足を8% 速くする効果が望めるらしいです。魅力的なシューズですね。

 

高級ですが(価格は¥30000ほど)、みんな飛びつきたくなるのも分かる氣がしますね。

今、ナイキさんのヴェイパーフライやアルファフライなど、ランナーにとって魅力的なシューズがどんどん開発され、他社さんもどんどんハイテクシューズを開発されてますね。凄い時代になりましたね。

今後も、マラソン界ではハイテクシューズに対するニーズはどんどん高まると思いますが、僕が懸念しているのは、こちらです

 

「身体の使い方、意識して走ってますか?ハイテクシューズに依存してませんか?」

…ということです。

 

最近、色んなところで、ヴェイパーフライを履くと、身体は自然と前重心になるため、シューズに合わせた走りが出來ると記録が伸びるという声を良く聞きます。※ 記録が伸びている一番の要因は、ハイテクシューズではなく、ランナーさん自身の努力の賜物です。

実際、記録が伸びているランナーが多いので、素晴らしいシューズだと言うのは間違いないと思います。

一方で、ヴェイパーフライに合わせた走りが出來ない方は、すぐケガをすると言う声も良く聞きます。

 

ランナーにとって、マラソンシューズは欠かせない存在だとは思いますが、シューズに対する依存心が増えると、自分の身体の動きを把握する機会が本当に少なくなり、身体の機能が低下してしまうと思います。

強豪実業団チームでは、足裏の感覺を養うために、普段のトレーニングでは薄底シューズ、試合では厚底シューズと使い分けているそうです。

タムタムランニングクラブのレッスンでは、基礎動作(タオルギャザー・マッサージ・プランク・ランジ・カーフレイズ)を行い、その後、姿勢を整え(身体を左右に揺らす→背伸びしてキレイな立ち姿勢を作る→サンドイッチの姿勢作り→再び背伸びして重心を引き上げる)→ウォーミングアップ(ジョギング)→メインメニューという流れを大切にしております。

【タムタムレッスン基礎動作の効果】

・タオルギャザー、カーフレイズ:足裏や脚全体の筋力アップ、ケガの予防、体幹の力アップ、足裏の感覺を養う
・ランジ:体幹強化、全身筋力アップ、身体の軸を作る、スムーズな体重移動の動きを体得、股関節の柔軟性アップ(ストライドを広げやすくなる、ケガの予防)
・マッサージ:筋肉をほぐすことで、疲労回復、柔らかい(リラックスした)走りが出來る。(トレーニング後も有効)
・プランク:体幹強化→身体の軸が出來る
・キレイな立ち姿勢作り:頭の中のイメージと身体の動きがフィットして、スムーズな走りが出來る様になる。

タムタムで行っている基礎動作は、とっても地味です。でも、自分の身体の動きを把握した上でレベルアップに繋げるためには外せないメニューなので、可能な限り、このメニューを導入しております。

過去9年間、タムタムランニングクラブのレッスンや外部のランニング教室で、幅広い世代(幼児〜おとな)の方々のランニングフォームを見させて頂きましたが、元々自分の身体の動きを把握した状態で走っていた方は、殆どいらっしゃらなかったです。

でも、ここに伸びしろがたっぷりあるので、チャンスと捉えれば伸びます。

自分の身体の動きを把握出來る様になれば、どんなランニングシューズを履いても(もちろん、はだしでもOK)最高の走りが出來る様になります。

基礎動作で自分の身体の動きを把握したい方は、ぜひタムタムレッスンに足を運んでみて下さいね。
※ 現在、新型コロナウイルスの影響で、対面レッスンを懸念されている方が多いと思います。タムタムレッスン(オンラインサポートも可能です)にご興味ある方、先ずはウェブページのお問い合わせフォームからご連絡ください。お待ちしております。

余談ですが、以前、マラソン大会に出場した際、色んなランナー仲間から、「心雄さんは、ヴェイパーフライ履かないんですか?」とよく質問を受けましたが、僕は履きません。

何故かというと、以前、ショップでヴェイパーフライを手に持った瞬間、フィットする感触を得られなかったからです。

僕の場合ですが、マラソンシューズを購入する際、先ずは手に持った感触を確かめ(職人ではありません)、試し履きをして、フィットしたものを選びます。

個人的に一番フィットするのは、陸上競技を始めた中學1年生の時から27年間愛用しているアシックスさんのマラソンソーティ(薄底)というシューズです。

昔、自衛隊体育学校(実業団)で走っていた際、強度の高いトレーニングはマラソンソーティ、強度の低いトレーニングは厚底シューズと使い分けていました。

その時は、厚底=衝撃吸収し、身体のダメージが軽減されると思ってましたが、良く足を痛めてました。

今は、自分の身体の動きを把握出來れば、はだしでも薄底シューズでも、何履いても走れると思ってます。

走ることがお仕事だった頃(18歳〜23 歳)と感覺は明らかに変わり、ここ数年、有り難いことに、ケガせずに走れております。

なんだかんだ言って、ケガの予防に努めながらランニングを極めるためには、自分の身体の動きを把握することから始まると思います。

 

基礎動作を大切にしつつ自分に合ったシューズを選び、食・心・休養など、足りない部分を1つずつ補いながらトレーニングを行うと、日本陸上界は世界トップクラスのレベルに引き上げられると思うので、タムタムランニングクラブでは今後も、自分の動きを把握する大切さを伝え続けて行きます。

自分の動きを把握出來る様になると、なりたい自分に一歩近づけますよ!

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